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.けいすけさんのブログ

その他 .けいすけ
23歳  /  東京都
PC 2020年5月19日(火) 02:53

謝罪と鈍痛とココアと横たわる猫  僕の住む学生寮には、野良猫が一匹住み着いている。年の頃は分からないが、多分結構お年寄り猫。気まぐれに現れては日向で昼寝をし、通りがかる寮生に撫でまわされ、いい気分。そんな猫の写真を撮りまくっている友人は、僕の親との絶縁問題について、結構強く背中を押してくれた奴だった。

 ここのブログでも、もう幾度となく取り上げてきた母親との確執。多分境界性パーソナリティ障害の母と、ASD、ADHDの僕。僕は、母親の望むような一般的な良い子にはなれなかった。そして僕は、普通の母親に望むようなことを諦めた。
 暴言と人格否定と痛みが断続的に続くリビング、幼い弟、仕事で不在の父。多分誰が悪い訳でもない、ただ僕が良い子じゃなかったから。それが本当なのかは分からないが、今でも僕は自分自身をいい子だとは思えないし、ありきたりな言葉で言うのなら、自己肯定感や自尊心がうまく機能してないことに時折苦しめられる。加えて言えば、昔のことは覚えてないし。だから、記憶の彼方にある「母は僕の事を罵倒してたし、死んだほうが良いとも言われたし、確か椅子から蹴り落されたこともある、外に締め出されたのも叩かれるのも日常茶飯事」なんていう遠くの新聞記事の切り抜きみたいなあやふやな情景しか、頼れるものが無い以上、母親の事を悪く思えないのである。だって、その事実すら、「僕がはっきり記憶していない以上は、本当はそんなこと無かったのかもしれない」のだから。僕が都合よく作り上げた想像だとしても、ここまでくるとおかしくないのである。

 3月から始まって、もう3度目。何かしらの僕の行動に母親が怒り、学校の保証人やら扶養者の立場から、僕を脅してごめんなさいを引き出そうとする。僕が悪いことではなかった――尤も、もう何があったのか、何で怒られたのかなんてさっぱり思い出せないけど。その度に僕は「僕が悪いから」というあらがえない感情に引きずられ、気が付くと泣きながら謝っていた。許してください、捨てないで下さい、ごめんなさい、もう二度としません――――。頭のどこかで自分が笑っていた。さっきまで口答えしてたのに、見捨てられ恐怖をちらつかされれば
簡単に屈服するんだね。向こうだってそれを見抜くから、金や立場をちらつかせて、お前の事捨てるけどいいんだね、って脅してくるのにさ。学習しないね、って。

 けれど、今回はなんかもう、違った。心配して言った言葉が、全部不満やら口答えされただの冷たい言葉だの、そういう風に帰って来る。そして母お得意の、数か月以上前の僕の失態を引きずり出しては責め立てるそれ。無理やり頭が破り捨てた要らない記憶を、わざわざ拾ってくるのだ。そして、多少は残っていた心配の気持ちすらそういう残念な扱われ方をされるという、ちょっとした悲しさが。記憶に負荷を掛けられていたところで、あっけなく僕の良心と母親への愛情のようなものが砕け散った。分かった、心配すらそういう風にしか受け取ってもらえないのなら、多分もう分かりあえることは互いに一生無いね。そう言って僕は、電話を切った。

 直後に再ダイヤルがあり、「じゃあ保険証も返してね、学校の保証人も変更して。」―――ここで、母が「言い過ぎた」だのそんなセリフを吐くことは間違いなくないと知っているから、そこまでは織り込み済みだ。もうそれでよかった。金銭的にはあの人の手助けはもう必要ないもの。スマホを解約して格安SIM買って、国保?税金ってどうなるんだ?扶養ってそもそもどういう状態だ?・・・昨今の影響で学生課が閉まってるけど、保証人変更手続きの書類を貰わないと。学生生協の保証人は電話で変更できる。あとは?あとは?・・・もうそこまで頭が回っていたんだもん。意外と捨てるのは簡単なんだ、というあっさりとした空虚感に、僕は脳を空転させ続けていた。

 イブプロフェンすら拒絶する酷い頭痛に苛まれて何とか眠りに落ちた翌日、昼過ぎに目が覚めた僕はその後二日間ほどアルバイトで忙しく過ごした。バイト先の店長に、もし僕が扶養から外れる場合、会社で何か手続きすることはあるか、と聞いた。店長は扶養から外れるの?と驚いていたっけ。店長は、所得税・住民税と扶養とは何かっていうのを教えてくれた。ただただ僕の脳は、知識を蓄えて空転し続けていた。

 知識を蓄え、ToDoリストを作り。今母親の扶養から外れれば、転職して落ち着かない母親に来年度、扶養控除が減るという大打撃を与えることができる。スマホの家族割だって、確か3人以上が条件だと書いてなかったっけ。土日が明ける頃には、僕の胸には嗜虐心のようなものがいっぱいに詰まっていた。とりあえず歯の詰め物が若干取れかけていたので歯医者に行って、その足で役所の出張所に行き、税金と国保の申請のために必要な書類を窓口で聞いた。僕は、笑って答えた。「103万は超えてないけど、親の扶養から外れることになりました。」・・・確定申告も携帯の解約金も、母親が大好きでやまないお金というもので打撃を与えてやれるのなら、全く苦じゃない。もう、どうやったら最後にあの人を苦しめられるだろうか。・・・とても、愉快だった。

 過去、僕が母親と何か起こすたびに母親の愚痴を言ってしまっていた友人がいた。高頻度で自分が撮影した猫の写真を送って来る同期。「俺、もうお前の母親の話聞きたくねぇよ、だってお前も結局許しちゃうんだもん!許すなよ!」って、前に言われた。分かってる、分かってるんだけど。どうしても保証人やお金のことをちらつかされると、恐怖心が一気に増幅して気が付くと謝っちゃってるんだよ。そんなことは当然言えなかったけど、そうは言っても僕が母親とは離れたほうが良いという事を、ずっと言っていたやつだった。だから、こういういきさつで多分親と関係絶つことになった、と言ったら、そいつはただ一言笑って、おめでとう、と言ってくれたんだ。

 ベストショット猫。昨日の夜そいつが送ってくれた猫の寝姿は、今僕のPCの背景画像になっている。セカンドディスプレイで、呑気にお昼寝してる大画面の猫。その猫はいとも簡単に僕の行き過ぎた嗜虐心やそれに伴う自傷欲なんかをマイルドにさせたし、―――先ほど母親から来た「一昨日は言い過ぎました。ごめんなさい。弟に言われて反省しました。以上です。」なんていうLINEも、自分の腕を枕に寝ている猫の写真を見れば、とても些細なことに見えた。許してあげないのは可哀想だから、「僕もあなたの気持ちを無視して冷たい事を言ってしまって申し訳ないと思っています。あなたが謝る必要なんてありません。---だから被扶養者たる僕の削除手続きを早く進めてください、国保の申請に必要なので」。・・・言動は赦すけど仲良くする気は二度とない、そう母に笑顔で言う勇気が湧いた。遠くの親戚より近くの他人ってね。今すごく、穏やかだから。

 この時間帯の頭痛も、いい加減数日たてば日課のように慣れてきている。鎮痛剤を飲み干して、ココアと猫で尖った危ない感情をゆっくり溶かして。それで、手続きを進めよう。もう、覚えてないから、母が言う通り僕は極悪非道の親不孝者でいいよ。酷いって冷たいって言われたっていい。母親に愛してもらわなきゃならないなんていうルールは世の中には存在しないんだからさ。悪い子でもいいじゃない。他人には散々そうやってきたんだからさ。

 いい加減夜型生活、どうにかしなきゃね。

謝罪と鈍痛とココアと、横たわる猫。

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